天王塚古墳
Tennozuka Tumulus
この古墳は、神明塚とも呼ばれ、形態は前方部が西面する前方後円墳(円形と長方形がくっついた形)である。鏑川流域に分布する前方後円墳の中では最も古い。
当墳は、南西約450mに所在する笹森古墳(昭和58年2月県指定史跡)と同様に、鏑川の第二河岸段丘上の縁辺に立地している。
墳丘の全長は約76m。前方部幅39m、高さは南側裾部より約3.5m、同北側より約6.5m。後円部径約50m、高さは南側裾部より約6m、同北側より約9mと、墳丘の南側と北側では約3m程南側が高くなっている。前方部と後円部の高さは、後円部が2.5m高くなっている。
墳丘上には、自然石が認められ葺石(墳丘がくずれないための防護施設)の存在が、また、埴輪類が見当たらないため、埴輪の使用のない古墳と考えられている。周堀(墳丘の周りの堀)も見られる。
埋葬施設は、未調査のため不明であるが、後円部にあり、墳丘形態等により主体部は竪穴式(石室を完全に塞ぐ)系で、粘土槨(死者を入れた棺を粘土でおおってしまう構造)と推測されている。
築造年代は5世紀初頭頃と推考されている。